水圧

水圧とは、浮力にも大きく関わる水中でかかる圧力のことです。水面に出ている身体に働く圧は、大気圧で一定(厳密には高所に行けば気圧は低くなるが、数メートルの高低差では体に加わる作用は無いに等しい。)ですが水中では、深さに応じた水圧がはっきりと身体に作用します。水面付近では水圧は小さく、深いところほど大きな圧が加わります。水圧の役割としては、例えばプールに立っているとき、水圧は底にある足に最も強く作用し(実際に足首が1cm程細くなります)、水面付近にある上半身にむけて徐々に弱くなります。その結果、水圧は鬱血しがちな下肢の血管やリンパ腺などを圧迫して、下肢に溜まりがちな血液を心臓に還流することになり、足のむくみなどが解消されます。


また水深が胸まであると空気中よりも余分に圧力を受けます。腹部などは骨がないため水圧で3~5cmも細くなります。つまり水圧によって肺が押されます。しかし水中では自然に腹式呼吸になり、深いゆっくりとした呼吸でたくさんの空気を出し入れするようになり、普段使っていない肺のすみずみまで酸素を送り込むようになります。さらに息を吸う力が強くなり呼吸機能が向上します。

このように水圧は水の中でじっとしているだけでも身体の内部に大きく働きかけ、さらにウォーキングやアクアビクスといった水中運動をすることにより心肺機能の増進や活性化に大きな効果をもたらします。